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超高齢社会の日本では、脳梗塞や脳出血、骨折、心疾患などで入院される高齢者が多くいらっしゃいます。入院期間中、寝たきり予防や介助量を少なくするためにリハビリテーション(以下リハビリ)が行われます。
しかし、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職の指導のもと、医療保険でのリハビリを受けられる日数には制限があります。患者さんの多くが高齢者のため、退院後に通院リハビリがご本人の負担になることも少なくありません。地域によっては1時間以上かけて通わなくてはならない場合もあります。そこで、これらの問題を解決するため、在宅や近くの施設でも適切なリハビリが行えるようにするために、AIを活用した取り組みが行われています。
2019年、AIが搭載された下肢麻痺のリハビリテーション支援ロボットが開発されました。
カメラ映像や画像・動画ファイルから骨格情報を検出し、AIが患者の歩行状態や姿勢が正しい位置にあるか分析します。
その分析結果を基に改善点を抽出し、患者さん一人一人に合わせた運動強度や速度の調整を行い、より効率的な運動プログラムを提供できるようになっています。
また、自宅でも施設でリハビリを受けているような体験ができる「オンライン遠隔リハビリサービス」があります。
担当セラピストから指定されたトレーニングメニューを参考に、動画を見ながら自宅でトレーニングを行います。その様子をアプリで撮影し、セラピストに送信します。その動画をAIが分析し、セラピストが「身体が右に傾いていますね。」「もう少し膝を伸ばしましょう。」などアドバイスをして修正していくことで、正しい姿勢でのリハビリが可能になります。
前述したように、リハビリを継続して行うことで身体の機能維持や向上が見込めます。しかし、制度や物理的な問題により、気軽に通うことができないのが現状です。「気軽にリハビリを行える環境を作ること」「どんな場所でも専門の施設でリハビリを受けているような感覚を味わえること」が、これからの時代に必要になってくると思います。
人や場所などの制限を超えられるデジタル技術を活用して、質の高いトレーニングを自宅でいつでも行えることが、これからのリハビリテーションに必要になっていくと考えます。
リハビリは継続して行うことが大事です。スポーツと同じように、毎日コツコツ行うことで身体の機能を向上させ、良くなった状態を維持することができます。 こういったAI技術をうまく活用して、いつまでも健康体でいられるようにしたいですね。