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医療において、現在さまざまなAIが活用されてきています。AIとは「人工知能」を意味しますが、ディープラーニング技術の発達により、一定の情報から自律的に判断できるシステムを意味しています。この仕組みを医療に生かしたものが医療AIになります。
医療AIは病気が起こらないようにする予防や、病気に罹患している人を正しく判断する診断、また診断のもとにAIを治療へ生かす大きく3つがあります。
具体的にはどんなものがあるのでしょうか。
2018年に国立がん研究センターと理化学研究所により、内視鏡画像から早期胃がんを自動検出するAIプログラムを構築したことを発表しました。陽性的中率(AIががんと判断した中で実際にがんであった割合)は93.4%、陰性的中率(AIが正常と判断した中で実際に正常であった割合)は83.6%でした。さらに、早期胃がんの有無に加えて、その領域まで高精度で自動検出することに成功しています。
その他、CT画像から肺結節の検出を行ったり、AIによる問診から特定の病気への診断を補助したり、健康診断の結果から予防に生かすようなAIの開発が進んでいます。AIによるOCR(光学文字認識)を用いた文書の読み取りにも活用されています。
AIによる問診では、基本となる情報をあらかじめ保存しておくと、実際に何か症状が出たときに、AIの問診を用いて必要な受診、想定される病気などを把握できるかもしれません。
AI医療の活用はとても有用だと実感されている方も多いかと思いますが、注意点もあります。例えば画像診断でのAI活用では、やはり診断においては人の判断が必要なこともあります。AIの診断が絶対的ではないため、AIの判断が誤っていた場合にその責任をどこがもつのかという問題があります。
また、AIの妥当性の検証が不十分であったり、法的な整備が不十分、またAIを使う医療者側の知識不足も問題となることがあります。
AIをうまく活用しながら、あらかじめデジタル診察券にお薬手帳や健康診断の結果票の写真を保存しておくことで診療に有用であると考えられます。
今後、OCRの精度が向上した場合は、OCRも採用しAIをうまく活用した診療が可能となります。