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我が国でのオンライン診療は、1997年から「遠隔診療」の一部として始まっていますが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、需要がますます高まっています。今回は海外で積極的にオンライン診療に取り組んでいる各国の現状についてご紹介していきます。
アメリカでは、医療機関を受診するよりも安価で24時間いつでも受診できるため、遠隔診療の導入が進んでいました。
新型コロナウイルス感染者が増加し始めた2020年3月上旬から、アメリカ政府は医療機関がオンライン診療を導入しやすく制度整備を行い、整備前23%だったオンライン診療導入率は、現在、約76%まで増加しています。
また、新型コロナウイルスが流行する前は、オンライン診療を受けたことのある人はわずか14%でしたが、現在は57%まで上昇したとの結果が出ています。
中国は医師不足でもともとニーズが強く、中国最大のオンライン診療アプリPing An Good Doctorの登録者数は2019年9月時点で3億人を超え、ネット利用者の3人に1人が登録していました。
公的機関のオンライン診療プラットフォームの導入をするなど、国を挙げて制度整備を進めていく段階で、新型コロナウイルスが発生してしまいました。
新型コロナウイルスの流行により、オンライン診療の保険償還の対応が急ピッチで進められ、医療機関によるオンライン診療対応だけでなく、それまで全額自己負担だった民間企業のオンライン診療サービスも保険適用されるようになりました。この改定により、利用者が急拡大し、前述のPing An Good Doctorの利用者は現在までで延べ11.1億人まで増加しています。
ヨーロッパでは、コロナ前からへき地の医療従事者不足や高齢化による医療費の増大などの解決の一助として遠隔診療に期待が集まっていました。
オランダやイギリス、スウェーデンなど複数の国で、国民健康保険適用のオンライン診療アプリがいくつか利用されています。
特にイギリスでは、原則無料の国民保健サービス(NHS)が利用できる一方、医療予算圧迫が問題となっており、それを抑制するため、以前よりNHSの医療機関でオンライン診療導入が求められていました。
新型コロナ感染症拡大を受け、NHSは2020年3月上旬からオンライン診療への切り替えやオンライン診療導入拡大の支援要請、医療従事者同士のオンライン連携などを要請しました。 それにより、オンライン医療システムeConsult上での診療は、2020年2月以降は1日平均約1万2000件に急増しました。ロンドンには、診療行為の99%をオンラインに移行した医療機関もあるそうです。
いかがでしたか。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各国でオンライン診療の制度整備が進められ、利用者が世界的に増加しています。
日本でのオンライン診療登録医療機関数は、2021年4月末時点で約1万7000ヵ所で全体の15.2%ですが、MMD研究所の調査では、66.7%の人が「オンライン診療が増えてほしい」と回答しています。 日本でのオンライン診療の需要はますます増えていき、モバドクのようなオンライン診療対応のデジタル診察券の普及が高まっていくと予想されます。