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2022年10月11日健診クラウド

健康診断を管理することの重要性とは。「検診スルー」問題を考える

多くの従業員を抱える経営者にとって、自社の経営状況と同じくらいもしくはそれ以上に気を使わなければならない問題が従業員の健康管理です。

従業員の健康管理というとやはり企業で行う健康診断が思い浮かぶ方が多いかと思います。「うちでは健康診断をしているから大丈夫」と考えて良いのでしょうか。

実は健康診断で精密検査や治療が必要と判断されてもその結果をスルーする人は多く存在します。

従業員の体調管理は個人の問題ではなく、経営者にも責任責任があり健診のやりっぱなしは非常に責任が重くなります。今回は健康診断の管理の重要性について解説します。

健康診断をするだけで社員の体調管理は十分か?

労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して医師による健康診断を実施することが義務付けられています。しかし単に方に基づいて健康診断を実施するだけで、その結果に応じて個人に対応を任せていて十分な健康管理ができるのかというと疑問が残ります。東京慈恵医科大学附属病院の総合検診予防医学センターの発表によると2014年7月〜2016年6月にのべ15219人が人間ドックを受け、5388人が要精密検査や要治療と判断されています。しかしそのうち自ら受診行動を起こした人は3371人でした。つまり残りの2017人(検診で要精密検査となったり要治療となった人の37.4%)は受診行動を起こしていないということになるのです。

(人間ドック34:443-449,2019)

健診で異常を指摘されても受診行動につながらない要因について解析している文献もあり、体調が悪くない、時間がない、必要性を感じないといったものが上位になっています。

(人間ドック28:654-660,2013)つまりいくら健康診断で精密検査や治療の必要性を通知されても、一部の人は自覚症状がなければスルーしてしまうのです。

自覚症状がなければ軽症かというとそのようなことは決してありません。

例えば糖尿病は初期の段階では自覚症状がほとんどありません。しかし糖尿病を放置しておくと糖尿病性腎症や糖尿病網膜症を引き起こします。糖尿病は我が国で、透析が必要となる末期腎不全の原因の1位、失明の原因の3位を占めるのです。他の疾患でも健康診断の異常値の放置は非常に危険です。

従業員の健康管理がうまくできていないと、健康診断結果をスルーした人の拾い上げができません。若い時には大きな問題なく過ごしていたとしても、歳を重ねてくるとそれまで放置していた生活習慣病による症状が出現することがあります。

そうなるとせっかく育成した人材が病気により長期の休職や退職に追い込まれる可能性があります。そうならないために健康診断を実施した後にはその健診データを管理し、従業員の健康状態を把握し、健康診断後に医療機関の受診につながっていない従業員を発見した場合には早期に受診などの行動につながるように促す必要があります。

疾患を早期に発見して早期に治療をすることで従業員の離職の防止や、疾患による生産性の低下を防ぐことができるのです。

まとめ

今回は健康診断を実施したあとにそのデータを適切に管理・運用することの重要性を解説しました。健康診断で治療や精査が必要と言われても自覚症状がない人の場合には受診行動につながらないということが予測されます。そのような人を拾い上げるためにデータ管理を十分に行うことが重要です。健診クラウドなどを活用して従業員の健康状態を把握することのメリットは非常に大きなものとなっています。

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